乳がん血液検査をわかろう!~その2

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前回の続き、乳がん血液検査の項目毎の意味が良く分からず、どれが他の部位への転移を示すのかわかっていなかったので、勉強したものを書くという後半戦です。頑張ります(ง •̀_•́)ง

1. 血算 【WBC・RBC・Hb・HCT・MCV・MCH・MCHC・PLT】

血算(けっさん)は、決算?などと思ってしまいますが、血球算定(CBC=Complete Blood Count)の略語。血液の成分や濃度を調べて健康状態を知る基本的な検査です。

白血球数(WBC=White Blood Cell)
決して侍ジャパンのWorld Baseball Classic(野球)ではありません。 😉  
白血球の役割は、病原菌や異物から身体を守ることで、FECの抗がん剤治療中は良く基準値を下回ってしまい、グランの痛い注射を打って治療を継続できるようにしていたことを思い出します。
高い⇒ストレス・炎症・感染症・アレルギー・心筋梗塞・がんなど
低い⇒感染症の初期・膠原病など

赤血球数(RBC=Red Blood Cell)
赤血球の役割は、肺で酸素を受け取って全身へ運ぶことです。基準値未満だとヘモグロビン濃度も減って貧血となります。
高い⇒脱水・多血症など
低い⇒貧血・白血病・がんなど

ヘモグロビン/血色素量(Hb=Hemoglobin)
赤血球の中にある成分のひとつで、このヘモグロビン肺から酸素を全身へ供給する主な役割を担っています。血液の赤い色のもとなので血色素と呼ばれます。
高い⇒脱水・多血症など
低い⇒貧血・白血病・肝硬変など

ヘマトクリット=赤血球容積比(HCT=Hematocrit)
血液に含まれる赤血球の割合、比率を表します。
高い⇒脱水・多血症など
低い⇒貧血・白血病・妊娠中など

MCV/平均赤血球容積(MCV=Mean Corpuscular Volume)
  MCH/平均赤血球ヘモグロビン量(MCH=Mean Corpuscular Hemoglobin)
  MCHC/平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC=Mean Corpuscular Hemoglobin Concentration)
貧血の種類を見当する検査で赤血球の平均的な大きさやヘモグロビン量・濃度を算出します。
3つの組み合わせで判断されますので、株式会社 法研さんの『よくわかる検診・人間ドックガイド』のサイトがわかりやすいです。

血小板数(PLT=Platelet)
血液中に存在し、血栓を作って出血を止めます。多いと血栓が血管をふさぐ心配があり、少ないと止血作用が弱くなります。
高い⇒赤血球増多症・慢性骨髄性白血病など
低い⇒再生不良性貧血・急性白血病など

2. 血液像 【Seg・Neut・Eos・Lymph・Mono】

血液像は白血球分画と呼ばれます。免疫機能のある白血球成分にはそれぞれ役割があり、身体の異常に応じて働くので分画を細かく見ます。私の場合はSegのみの検査でした。

分葉核球(好中球数)(Seg=Segmented Leukocyte)
感染や炎症に最も早く反応するのが好中球で、核の形によって分類され、桿状核球(Stab)と分葉核球(Seg)に分かれます。未成熟なものがStab、成熟したものをSegといいます。血液中にはこのSegが多く、成分量を調べています。私の結果表に基準が書かれていないので、国立がん研究センターの基準値一覧2016年6月版を参照すると女性は48.8~66.2%です。ありゃ私37.0%て低めですね。しかし血液検査の結果表にLowの記号も無く、なすび先生も何もおっしゃらなかったので、一時的なものでしょう。
高い⇒感染症・慢性骨髄性白血病・心筋梗塞・がんなど
低い⇒急性白血病・敗血症・抗がん剤治療など

好中球(Neut=Neutrophil)
白血球の中で一番多い血液細胞で、骨髄の造血幹細胞で1日1000億個ほど作られ、寿命が数日と短いです。アメーバのように動いて、外部から侵入してきたウイルスなどの異物を迎え撃つ作用があります。
私が受けた検査はNeut実数です。基準がまた書かれていないので、国立がん研究センターの基準値一覧2016年6月版を参照。女性の場合、49.7~72.7%とあります。私の場合を計算してみると、白血球数WBCの3.6にこの割合を掛け算すると、最低でも1.78以上ですが、検査結果は1.38でしたので、低い方でした。でも大丈夫らしい。(^_^;)
高い⇒細菌感染症・急性虫垂炎・ストレス・がんなど
低い⇒悪性貧血・敗血症・腸チフスなど

好酸球(Eos=Eosinophil Granulocyte)
白血球の成分で顆粒を生成できる細胞です。好中球と同じような働きをしますが、寄生虫を殺傷する機能もあり、またアレルギーの要因になったりします。上記国立がん研究センターの女性基準値は0.0~5.0%です。
高い⇒アレルギー疾患・結核・潰瘍性大腸炎・寄生虫疾患など
低い⇒ストレス・急性感染症・心筋梗塞など

リンパ球(Lymph=Lymphocyte)
白血球の成分で免疫機能を有する細胞です。おなじみのNK細胞(ナチュラルキラー細胞)・B細胞・T細胞と3種類あります。キラーT細胞やNK細胞はがんやウイルス感染細胞の破壊をするものです。上記国立がん研究センターの女性基準値は24.5~38.9%です。ありゃ私は50%あるぞ!でも他のサイトの基準値は20~50%とあるのでまぁいいかな。^_^;
高い⇒ウイルス感染症・リンパ性白血病・百日咳など
低い⇒エイズ・うっ血性心不全治療など

単球(Mono=Monocyte)
白血球の中で最大の大きさのある細胞。感染したとき、免疫機能の始まりに重要な役目を持っています。上記国立がん研究センターの女性基準値は1.7~8.7%です。
高い⇒発疹性の感染症・結核・単球性白血病など
低い⇒特に問題なし

カウント
何のことやらと思って調べたところ、白血球分類の目視で100カウントしたということらしいです。通常は平均を取るために200~300カウントするようです。

3. 乳がん腫瘍マーカー 【CEA・CA15-3】

がん細胞は健康体ではあまり存在しない特異なたんぱくを持っていることがあり、血液中にある物質を検査するものですが、がんの初期段階には陽性にならないことが指摘されています。

CEA/がん胎児性抗原(CEA=Council of Economic Advisors)
消化器系のがん腫瘍を中心に、もっとも汎用性のある血中腫瘍マーカー。細胞ががん化すると血液中に多量あらわれ、基準値は5ng/ml以下。(EIA法)私の乳がんが発覚した当時は23.4ありましたが、今回1.6です。
高い⇒大腸がん・胃がん・肺がん・肝臓がん・乳がん・喫煙者・糖尿病など

CA15-3=Carbohydrate Antigen 15-3
再発・転移性乳がんの特異度がある血中腫瘍マーカー。身体の組織が傷つけられると血液中に放出され、乳がん初期の陽性率は低く、乳がんの肺・肝臓転移は陽性反応が7割以上の確率となるそうです。局所の再発や骨やリンパ節転移の場合3割にまで低下。
高い⇒乳がん・卵巣がん・子宮内膜症・肝炎など

さて、長くなりました。( ^^) _U~~一応ひと通りの勉強は終えましたが、きちんと覚えていられるかどうか疑問です(笑)私の場合の乳がん再発チェックとしては、素人判断でこのあたりかと思います。

  1. まず腫瘍マーカーのCEACA15-3(その他のマーカーとしてBCA225やNCC-ST-439もあります)に注意
  2. 骨転移でALP(骨型アルカリフォスファターゼのBAPがもっと良いのですが検査項目にないので)とCa
  3. 肝臓転移でT-Bill・LDH・AST・ALT。呑兵衛さん 😎 注意でγ-GTPあたり

何度もお話ししていますが、現在の血液検査のみでは病気の特定には至らず、スクリーニング検査として受けるものなので、異常値があるからといって落ち込んではいけません。偽陽性・偽陰性共にある上に、検査を受けた時の身体の状態によっても変わってくるからです。

ただ現在研究が進んでいるものもあります。日経ビジネスONLINEの2016年4月の『早期発見へ、採血1回で13種類のがんを識別』にもあるように、国立がん研究センターや東レなどが、がんを数滴の血液で識別できるように開発を進めています。乳がんもこの中に入っているので、マンモなどの乳がん検診に足が遠のいてしまう人が、簡単にチェックする機会に恵まれるような環境になってくれればいいなぁと思っています。たぶんこれは原発がんの人向けのような気がするので、乳がんの肺転移などの再発には向いていないのかも知れません。それでも世の中の乳がん患者が増えないように、辛い思いをする人が減ってくれると嬉しいですよね。

ここまで読んでくださった あなたに感謝。<(_ _)>

 

 

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