乳がんと漢方薬
乳がんサバイバー1年生、抗ホルモン治療(ノルバデックス)を受けていますが服用した漢方薬について「ずっと継続して使用して大丈夫なのか?」「そもそも効果のほどは?」といろいろ考えました。
漢方薬は、気の流れを整える・血の巡りを良くすることによって体調改善をはかります。煎じ薬、エキス剤の顆粒タイプ、飲みやすくはちみつなどを混ぜた錠剤などがあります。煎じ薬は煮出す必要があり手間がかかりますが、患者さんの体調や効き具合によって調合を変えることができます。但しがんの再発防止等には保険適用外であったり、自費となると負担は月に3万円以上はかかるでしょう。
その負担を軽くしたものが顆粒や錠剤タイプ、保険適用で個別に違いはあると思いますが、私の場合月数千円で賄えます。また持ち運びに便利で苦さが苦手な方は煎じ薬よりも楽です。
私のかかりつけの漢方外来、チーター先生によると煎じ薬>顆粒>錠剤の順に漢方薬の効き具合に差が出るそうです。コーヒーで例えると豆から入れるかインスタントですませるかといった感じでしょうか。煎じ薬は、価格を抑えた保険適用の漢方薬よりも質の高い生薬を使うことができる点において優位にあります。
漢方薬は自然に寄り添い、その恵みである植物から作られます。副作用が全くないわけではありませんが、効き目も穏やかに長期服用も比較的安心だということです。
私は今のところ、飲みやすさと懐具合を優先させて錠剤にしています。 😉
漢方薬はその時々の症状によって、個人個人の薬との相性によって適宜処方が変わるので一概にはあげられませんが以下に私が実際に服用した漢方薬の表をのせます。ちなみに漢方薬は乳がんとは別の病院による処方のため、随時主治医に報告しています。
漢方薬名 | 八味地黄丸(八味丸) | 牛車腎気丸 | 当帰芍薬散 | 半夏厚朴湯 | ||
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読み | はちみじおうがん | ごしゃじんきがん | とうきしゃくやくさん | はんげこうぼくとう | ||
腰痛・しびれ・冷え | 抗がん剤副作用のしびれ | 乳がん治療の更年期障害緩和 | 不安感・喉のつかえ | |||
桂皮 | けいひ | クスノキ科の樹皮・シナモン | ○ | ○ | ||
山茱萸 | さんしゅゆ | ミズキ科の果実 | ○ | ○ | ||
山薬 | さんやく | ヤマイモ科の根 | ○ | ○ | ||
地黄 | じおう | ゴマノハグサ科地黄の根 | ○ | ○ | ||
沢瀉 | たくしゃ | オモダカ科サジオモダカの根 | ○ | ○ | ○ | |
茯苓 | ぶくりょう | サルノコシカケ科のマツホド菌 | ○ | ○ | ○ | ○ |
附子 | ぶし | キンポウゲ科シナトリカブトの根 | ○ | ○ | ||
牡丹皮 | ぼたんぴ | 牡丹皮の根 | ○ | ○ | ||
牛膝 | ごしつ | ヒユ科イノコズチの根 | ○ | |||
車前子 | しゃぜんし | 別名オオバコ | ○ | |||
芍薬 | しゃくやく | シャクヤクの根 | ○ | |||
川キュウ | せんきゅう | セリ科センキュウの根 | ○ | |||
蒼朮 | そうじゅつ | キク科ホソバオケラの根 | ○ | |||
当帰 | とうき | セリ科トウキ属の根 | ○ | |||
生姜 | しょうきょう | 生のしょうが | ○ | |||
厚朴 | こうぼく | モクレン科カラホオノキ等の樹皮や根 | ○ | |||
蘇葉 | そよう | シソの葉 | ○ | |||
生薬 | 読み | もととなるもの |
生姜、シソやオオバコなどの身近なものから、附子(ぶし)のトリカブト 😈 までたくさんありますね。附子は冷えた身体を温め、毒性も低く抑えられているそうです。
漢方薬の効果のほどですが、劇的に変わるようなものではないため実感しにくいのですが、立ちくらみなど減ってきています。まだ続けて服用し、様子をみるつもりです。
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女性ホルモン様の働きのある植物
乳がんのタイプで女性ホルモンのエストロゲン・プロゲステロンに陽性があり、がんの増殖を促してしまう性質の場合、これらの女性ホルモンを阻害する薬を長期服用します。
そのときに良く話題に上がるのが、イソフラボンほかの摂取制限をどう考えるかです。生薬の葛根、高麗人参にはエストロゲン様作用があります。これらは植物に含まれ、女性ホルモンと同様に作用してしまうものがあるからです。
風邪のときに葛根湯を使用するなど一時的な場合は大丈夫だとおっしゃる先生が殆どです。
では、日本人の大好きなお豆腐やみそ、納豆などの大豆食品は?というと賛否両論で結論はまだ出ていません。しかしイソフラボンのサプリ摂取や大豆食品の過剰摂取でなければ問題なく、むしろ良い方向に向かうという報告もあります。
乳がん個別化治療での治療方針の選択も迷いますが、こういった食生活に関する選択も難しいですね。乳製品やお肉も制限をという意見もありますし、どれが正解かわからない状態で、患者は悩むのです。
私は毎日納豆も食べていますし、甘いクリームたっぷりのケーキも喜んで食べています。けれども、健康時に大好きだった豆乳や牛乳は摂る量を減らしました。玄米食ですが、完全オーガニック食にはしていません。食材がぐっとお高くなりますから^_^; こんな風に自分に負担にならないような方法が大切だと思っているからです。
要はいつも言っていますが、患者本人の選択なのです。私の乳がん主治医は食事について何も制限しませんが、それぞれのお医者様に聞いてみてください。乳がん患者さんが安心して治療を続けられることが一番です。病院の先生に遠慮しないで、なんでも聞いてみましょう。b(^o^)d
関東は朝から雪でしたが、お昼前から雨に変わりました。寒いですが皆さま暖かくしてお過ごしください。次回はアロマテラピーでも女性ホルモン様作用で避けなければいけない種類があることをお伝えしたいと思います。
ここまで読んでくださった あなたに感謝。<(_ _)>