今話題の篠田桃紅(しのだ とうこう)さんが書かれた『103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』をテレビで知り、短いインタビューでご本人が出演されていましたが、その凛とした姿にただ者ならぬ風格がひしひしと伝わってきて、すぐに本を買いました。
大正2年生まれの篠田さんはいつも着物姿で、墨を使った抽象画が有名な方、今も意欲的に制作されているそうです。独り身の女性で、あの時代に自分のやりたいことを追究して、40代でアメリカへ渡った美術家さんです。
この本は比較的さらっと読めます。短編がいくつも入っていて、自己啓発本のような感じでもあります。篠田さんの生き様が素敵で、私とは住む世界がまるで違いますが参考になることが多かったです。
おひとりさまのバイブルとしても、がん患者の覚悟というか万が一の人生の終わりについて考えるのにも良いと思います。篠田さんは高齢ということで ” 死 ” について語っておられますが、置き換えて読みました。
おひとりさまとして
漢字の「人」は、人は一人で生きられない、お互いに支え合って生きるものだから、二本の線が支え合って成り立っている、と言います。
しかし、古来の甲骨文字を見ますと、「人」という字は、一人で立っています。(*引用詳細 下部に記載)
・・で始まるように、ひとりで寂しいということもなく、それが自然であり、ありのままを受け止めて生きていらっしゃる姿が本全体から読み取れます。かといって人付き合いを避けているのでもありません。唯我独尊を楽しむ感じです。凛々しいです!
私も昔からひとりの時間を満喫するタイプなので、普段からぷらっとお出かけしたり、ひとりでのんびりしたりが好きです。
がん告知も切除手術の入院もおひとりさま、オペ室にも自分で歩いて入りましたし、付き添いもなしです。入院中、相部屋の方の見舞客はたくさんいらっしゃいましたが、私はゼロです。 親も知らないし、あのころ半ば絶縁状態の息子も知る由も無く、周りの知人にも知らせていなかったのです。
それでも何も不安にならず、逆に医師や看護師さんに少し心配されました 😳 が、たぶん何と肝っ玉の据わったおばさんだと思われたことでしょう。^_^;
おひとりさまの先達として、篠田桃紅さんのようなご立派な方がいらしてちょっと嬉しいです。
ほかにも人としての幸福は
自分の心が決める以外に、方法はないと思います。この程度で私はちょうどいい、と自分の心が思えることが一番いい
日本人特有の「結構です」などのいい加減(良い加減)、あいまいさの文化にも触れ、YES・NOで片付けるのではなく、臨機応変に加減して生きていくことが良いそうです。
がん患者として再発を恐れるあまり、極端な食事制限や規則正しい生活を無理にしなくてもいいのかなと思いました。いい加減、いい塩梅がちょうどいいのでしょう。
(生活のコンパクト化のため、私は電子書籍で購入しました。)
また篠田さんには、死生観がないことや、自分を達観してまるで遠くから自分を見ているように客観視することができるようになったそうです。
”死”について
人の領域ではないことに、思いをめぐらせても真理に近づくことはできません。それなら一切を考えず、毎日を自然体で生きるように心がけるだけです。
私の場合も万が一に備えて、毎日大切に生きています。少し似たような心持ちです。
がん告知当時の自分の予想よりもいい状態で過ごしている今日この頃ですが、いつか悪くなってもたぶん大丈夫だと思います。とか言ってあたふたするかもですが (;´ρ`)
ここまで読んでくださった あなたに感謝。<(_ _)>
*上記引用文は全て、篠田桃紅 『103歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』
株式会社幻冬舎 平成27年4月発行のものです。