3/11にアメリカのオンライン科学誌『POLOS ONE』に掲載された九州大の広津助教ほか研究グループが発表した、95%超えの高確率でがんを見つけるこのスクリーニングテスト。がんのにおいに誘引される線虫を使って、がんの早期発見に有用として注目されテレビのニュースでも流れました。
尿1滴でがんの診断をすることができ、安価・高精度・スピーディに見つけることができるというものです。
研究で使われたC. elegansという代表的なモデル線虫とは
C. elegans(シー・エレガンス)は、正式にはCaenorhabditis elegans(シノラブダイティス・エレガンス)とよばれる約1mmの線虫(線形動物門)の一種です。
寄生虫で知られる回虫も、松食い虫に寄生するマツノザイセンチュウも線虫の仲間です。
C. elegans は、寄生性ではなく土の中にいて、細菌などを捕食して生活しており、どこにでも見出すことが出来ます。出典:宇宙航空研究開発機構(JAXA)
宇宙実験でも使われているそうです。見かけはクネクネしていてどうも好きになれません 😉 が、なんでも胃の痛みを訴えて受診された患者さんを胃カメラで検査したところ、小さな腫瘍が見つかり、そこへ線虫が食らいついていたということでこの研究がスタートしたということです。
がん特有のにおいは以前から知られていて、犬でもかぎ分けることができるそうですが、それよりも簡単に犬と同等の嗅覚を持ったC. elegansが研究対象になっています。腫瘍マーカーは偽陽性、偽陰性共にあり、がん以外の生成物にも反応してしまいますし、がんの早期発見は苦手です。
この研究は今の段階で242例の調査しかなく、がんの種別までわかるようになったり、実用化まで10年はかかると言われていますが、早期発見が鍵となるがんにとって朗報であることには間違いありません。
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さて既にがん患者の立場として、化学療法中の奏功具合を調べたり、再発の有無を見たりという使われ方の可能性を考えてみましたが、発表された『POLOS ONE』 ”A Highly Accurate Inclusive Cancer Screening Test Using Caenorhabditis elegans Scent Detection”の中に
As we suspected that chemotherapy treatment or operation would change the urine chemicals in cancer patients, we sought patients who had not yet undergone any treatment.
簡単に言うと、化学療法を受けた患者の尿は変異している疑いがあるので試験対象から外したとあります。”or operation”が何を指しているのか素人の私には理解できないのですが、 これを見る限り、原発がんの発見に重きがおかれているのかなと思います。
すでがん患者の私たちにとっては、再発の有無を簡単に調べられるようなものを望んでいますが、どうなるのかこれからも耳をそばだてていこうと思います。注射嫌いの私は、採血さえ嫌なので・・^_^;
私の術後1年の腫瘍マーカー値もおまけでのせておきます。今は安定しております。
2013年7月 乳がん発覚 | 2013年10月 術前FEC終了後 | 2013年12月 術前ハーセプチン +ドセ終了後 | 2014年7月 術後6ヵ月 | 2015年2月 術後1年 |
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CEA (ng/ml) 正常値 5以下-EIA法 | 23.4 | 3.2 | 1.4 | 3.8 | 1.0 |
CA15-3 (U/ml) 正常値 27以下 | 12.0 | 8.1 | 5.3 | 4.9 | 5.1 |
始めたばかりのパートさんの残業ラッシュに日々あえいでる私ですが、来月は桜の花見も計画中、それまでの我慢だと言い聞かせて頑張っている毎日です。
ここまで読んでくださった あなたに感謝。<(_ _)>